Thunderbolt2搭載のMacBook Proで突然変異種に5k出力できるのか

Apple, レビュー, 実験

Retinaはいいけど…

現在のデスクトップ環境はMacBook Pro Mid 2015 15″なのですが、このモデルというか、これ以降しばらくのMacBook Proはディスプレイ出力について非力な機種が続いてました。

具体的には疑似解像度のx2以外を指定すると一気に負荷が上がるというもので、疑似解像度を上げた状態でWQHDの外部ディスプレイを接続すると、それだけでファンが勢いよく回るという状態に陥ります(リッドクローズドモードだとWQHDx2でもファンは静か)

せっかくの綺麗なRetinaも負荷を考えると使えず、また外部ディスプレイをRetinaにしようモノなら4Kで中途半端な疑似解像度=ファン回りまくりだよねという感じに…MacBook Pro Late 2013 15″以来ぐぬぬという感じでした。

Retinaを選択したいけれど…

一応4Kディスプレイなら接続できるのですが、4K(3840×2160)では負荷の低い解像度ではフルHD(1920×1080)。となると現在WQHD(2560×1440)なので、実質的にデスクトップの広さは下がるという罠が待っています。

となると、5K(5120×2880)を選択したくなりますが、こちらはThunderbolt2の帯域を超えるため、出力できません。

Mid 2015 15″のRadeon M370XはThunderbolt2を2本、MSTで出力すれば5Kが出力できるのですが、対応ディスプレイは高価な上すでに終売しAppleもいつの間にか5Kサポート機種から削除するという塩対応…(5K出力のためにdGPUつき買ったのに…)

見つけてしまったものは仕方ない

そんな中ソフマップ・ドットコムを眺めていたところ、iiyamaのProLite XB2779QSが税込5万ちょっとで売られているのを見つけ、悩んだ末ポチりました。

平成末期の突然変異種、XB2779QS

この機種はかなり特殊な液晶ディスプレイだと思います。特徴を挙げると、

  • 色域がDCI-P3に近い
  • インカメラの穴がある
  • iMac 5K Retinaの形に近い
  • ガラスによる光沢液晶の割にAR(反射)コートがApple製品並に優秀

と、iMacの余剰生産パーツ処分で回ってきたものを使って生産したんじゃないかと思う位Appleっぽい液晶に仕上がってます。普段グレア液晶は避けていますが、Retinaに関してはグレアの方がいいと考えており、Apple並のARコートがかかっているとあればグレアでも購入の障壁にはなりませんでした。また、本機種だとiMac 5Kの問題となるアゴの大きさも多少解消しますし、スタンドも昇降対応なのでiMac 5K Retinaよりも設置したあとの自由度は高そうです。

市場に出回っている5KはThunderbolt3接続だったり15万程度だったりと選択肢が乏しい状況はここ数年変わりませんが、そんな中彗星の如く現れたという感じがします(大体NTT-Xで7万位)。

往年のApple Cinema Display 20″やiMac 20″がDD-tech IPSを採用した突然変異種だったのを思い出します。これでアウトレットとはいえ税込5万強は破格のコスパだと思います(5Kで映せられれば)。ちなみに届いたディスプレイはアウトレット品よろしく、銀ベゼルのアゴ部分に塗料っぽい赤の汚れがありました。中性洗剤でも取れなかったので、困ったときの味方イソプレパノールでキレイに落としました。

無事届いたものの、Thunderbolt2はおろかThunderbolt3のiMac 2017 5K Retinaすらこの機種には5K出力できなかったとの情報があり、このままでは5K出力は絶望的です。

一見帯域は足りないけれど…

じゃあどうしようかというとここからは完全に博打なのですが、eGPUで出力すれば何とかならんかなぁという考えが浮かんだので、試してみることにしました。

帯域として必要なのは最終的な画を出力するGPUとディスプレイの間が32Gbps必要なだけで、MacBook ProとeGPU間は20Gbpsも帯域を消費しないのでは?と考えたこともあります。

Thunderbolt2搭載のMacBook Pro + eGPUで5K出力できるか試す

先日購入したRazer Core X + Radeon RX 580 8GBにThunderbolt3<->Thunderbolt2アダプタを使って接続します。そのままでは動かないのでSIP無効後Purge WranglerでeGPUを有効化します。

結果

無事5K出力できました。店頭で見たiMac 5Kとほぼ変わらない映りで、MacBook Pro本体の画面でしか得られなかったRetina画面が目の前に広がりました。

本体から直結するともちろん4K…。Macの情報から見ると4Kでも5Kでも解像度は3840×2160と表示されますが、本体のOSD情報だときちんと5120×2880での入力となっていました。

5K表示時は画面上でも一目瞭然の美しさです。また、ディスプレイ接続後自動で生成されたプロファイルからDCI-P3のプロファイルに変えてもほとんど変化がわからないような色作りでした。

システムレポートを見るとこちらはきちんと5120×2880に。あと、バッファ深度が30ビットカラーになってました。Radeon M370X直差しの場合は24ビットカラー表記に。確かに5K Retinaは10ビットカラーに対応しているのでこの表記でもおかしくはないんですが、EV2736Wは…10bit-LUTを持っているからでしょうか。

4K出力時はOSDでも4K表示で画面がぼやけます。写真だと”ディスプレイ”環境設定のフォントがわかりやすいです。

他、思ったことをつらつらと

描画周りはeGPUが肩代わりしてくれるため、5K+WQHDという環境ですが本体のファンが回りまくるという状況にはなりませんでした。内部温度上昇の低減につながればいいなと思います。

起動して使う分には問題なさそうですが、スリープ周りは不安が残るので今のところシャットダウン運用してます。起動時eGPU接続しっぱなしでOKですが、普段内部のRetinaを使わないように磁石を置いてリッドクローズドで使っているので、起動の度に磁石をどかして電源ONが面倒です😅。

あと、SIPを無効にしないとダメなので、セキュリティリスクが気になる方はオススメできないです。ただ、SIPのせいで使えなくなったソフトもあるので、もうSIP無効でいいんじゃないかという気分になりつつあります。

iMac 5KのRetinaディスプレイは高精細・高色域・大画面と気になっていたのですが、現在のモデルはターゲットディスプレイモードもなく本体まるごとの差し替えとなることが気になっていたので、これが外付けのディスプレイとして入手できたのは久しぶりに気分が高揚しました。

3つあるHDMIは4K入力なのでほぼ死にコネクタですが、Displayportは2ポートあるのでコネクタの数としては十分でしょう。

メーカー公式の通販からはすでに販売終了となっているので、気になる方は早めに手に入れておいたほうがいいかもしれません。

何の保証もない補足

iMac 5K 2017はThunderboltのコントローラチップがAlpine RidgeでDisplayportの出力が1.2なんだそうです。そのため、Displayport出力の際5Kの帯域が確保できないと…。そのくせAppleは5K出力可能!と仕様に書いてあるものだから混乱しか呼びませんよね…。あれはThunderbolt接続のときに5K出力できるよということのようです。Mac mini 2018もGPUが5Kに対応してないのにThunderbolt3接続のLG 5K Ultrafine Displayの対応となっていることから、内部的に2本束ねて出力してるっぽいのかな。

iMac 5K 2019についてはTitan RidgeでDisplayport 1.4の出力だそうです。ので、iMac 5K 2019ならDisplayport 1.4に対応したケーブルを用意できれば本体から直にProLite XB2779QSに5K出力できるんじゃなかろうかと思います。同じTitan RidgeのMacBook Pro 2018も直挿しでいけるそうなので、多分いけると思います、多分。

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